
2-4.得点集計
Judgeごとに得点を出して、それを合算します。問題は合算の方法です。得点集計の方法は大会やJudgeによってさまざまですが、ここでは僕が最も公正かつ効率が良いと考える合算方法を説明します。
①スピーカーごとに得点と順位を出す
②黒板に表を書いて、各審査員の上位スピーカーを出す
③共通する上位スピーカーから入賞者を決める
これはJoint大会やOpen大会の学内予選などでよく使われている方法なので、大会運営者、特にネゴシエーターは手順をよく知っていると思います。特に得点を算出して順位を出すということは重要です。結果の客観性と論理性を保証してくれるからです。ただ、運営さんから特別な方法が指定される場合には、それに従ってください。
①スピーカーごとに得点と順位を出す
スピーカーごとに合計点を出し、上位から順位を出します。スピーカー数が多かったり、項目が多くて合計点の算出に時間がかかる場合は、JAさんにお願いして手伝ってもらいましょう。
②黒板に表を書いて、各審査員の上位スピーカーを出す
点数が出たら、表をもとに審査員全員の結果を照らし合わせます。次のような表を黒板に書きます。
図1)
ここでは出場者が10人いて、上位3人が入賞する大会を想定します。2人のJudgeで上位3人が一致して、一発で順位が決まることは滅多にありません。視点や価値観の相違で順位の違いが必ず生まれます。その時、ほかの上位者も参考できるように、入賞者+2~3位下まで枠を作っておきましょう。この作業は、JAさんがやってくれる場合が多いです。その場合は指示に従ってください。
③共通する上位スピーカーから入賞者を決める
表に上位スピーカーの順位と点数()を書き込み、入賞者を決めていきます。
図2)
ご覧の通り順位はばらばらです。そこで点数を合算して結果を出します。分かりやすいように、同じスピーカーに色を付けておきます。
図3)
上位に入っているスピーカーは、3番、10番、7番の3人です。お互いの順位はばらばらですから、次にこの3人の点数をそれぞれ合算してみましょう。
図4)
1位が3番、2位が10番、3位が7番だと明らかになりました。5番の子は惜しかったですね。Judgeが点数をベースに採点するということは、審査結果の客観性を保証してくれます。
点数を出さないと、どういうことが起こるか?
図5)
Mr. Shiraiwaは3番を、Ms. Guinea-pigは10番を1位にしたいようです。しかし審議が長引いたので、Ms. Guinea-pigが1位の決定をメインジャッジのMr. Shiraiwaに委ねたとしましょう。Mr. Shiraiwaは、リフレの時に自信を持って「3番君、君の優勝だよおめでとう」「10番さん、君は惜しかったね」と言うことでしょう。
しかしMs. Guinea-pigはどうでしょうか。「10番さん、私は1位だったんだけど…」それ以上の説明ができません。優勝できた3番君にしても、Ms. Guinea-pigは優勝理由を説明できません。当然不興を買うことでしょう。自分の出した結果を説明できないような審査を行ってはいけないのです。