2-5.審議

 

「点数で判断できないとき、

人間の力で処理する最終的な手段」

ここまで、点数を出して順位を決めることで、客観的で論理的な審査ができると説明してきました。しかし何らかの理由で、点数を基準にして順位を決めるのが難しい場合もあります。代表例が「同率」です。その場合、順位の決定に審査員どうしの協議が必要になります。

 

図6)

同率①

上の表に従って、上位のスピーカーを出してみます。

 

図7)

同率②

3番と10番スピーカーが、同じ点数で1位になってしまいました。ここで初めて審議に入ります。

 

審議のポイント

 

①優劣をつける基準を明確に定める

②Judgeが重視したいポイントがあれば基準にする(Judging Philosophy)

③運営側が大会で重視したいポイントがあれば基準として採用する

 

ここで行う作業は、「同質のものに差をつくる」ことです。では差をつくるためにはどうすればいいか。答えは簡単で「基準を設ける」です。

ハムスターとモルモットはどちらもペットでよく飼われるねずみです。いっしょくたにする人も多いですが、正確には違います。まず大きさが違います。ハムスターは種類にもよりますが、平均体重は100グラム以下です。一方モルモットは平均1kg、大きいオスでは2kgにもなります。また食べ物も違います。ハムスターは雑食で何でも食べますが、モルモットは草食です。学問的にも違います。大きく分けてハムスターはネズミ亜目でネズミの仲間ですが、モルモットはヤマアラシ亜目でヤマアラシの仲間です。ついでに言うと、モルモットは回し車に乗りません。

皆さんにとっておなじねずみだと思っていたハムスターとモルモットが、今日から別の生き物に見えるでしょう。違いが分かれば、どっちが好きかや、飼いやすいかの判断もしやすいはずです。同点の3番と10番スピーカーも、基準をつくって違いを生み、優劣を明確にしましょう。

 

基準

基本はJudging Sheetに従ってください。その項目の中から、評価で重視したい項目を絞りこみます。考え方はいろいろあるので、ここではいくつか例を挙げておきます。

 

  • スピーチとしての完成度を重視したい
    • Memorize, Deliveryの各項目
  • 発音やアクセントなど、英語そのものを評価したい
    • Verbal Englishの各項目
  • 主張に論理的で明確な根拠があるかどうかを重視したい
    • Logic
  • 分析が深められているかどうかを評価したい
    • Analysis              など

 

図8)一般的なJudging Sheetの項目とその基準

一般的なJudging Sheetの項目とその基準

先程お話しした通り、運営さんが重視したい項目があれば、事前に伝えられることもあります。特に指示がなくても、確認しておくと、審査の基準を考えるうえでヒントになることもあるでしょう。

このように、同率など点数で優劣を判断できない場合に、最終的に問題を解決するための方法が審議です。基準を明確にして優劣を決定すれば、同率でもスピーカーに勝因・敗因を説明することができます。いかなる状況でも、自分の出した結果をスピーカーに説明できる状態を目指しましょう。

 


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