
1.大会情報・ルールと事前原稿の確認
「審査の前提となる情報を頭に入れる」
審査の依頼は、概ねその大会を開催している大学のネゴシエーター(渉外・ネゴ)から届きます。大会によっては、実行委員長やチーフから直接お願いされることがあるかもしれません。大会の審査依頼が届いたら、まず以下の点について確認しましょう。
1-1.大会情報の確認
まず大会情報を確認します。主に以下の点について確認します。
① 開催日時
② 開催場所・キャンパス
③ 当日の集合時間・集合場所
④ 会場までの交通費
基本的な事柄についてです。特に気を付けるべき点が2つあります。まず②についてです。大学が会場の場合、その大学が複数のキャンパスを持っている場合があります。大丈夫だと思っていても、思い込みで会場を間違える可能性は否定できません。念入りに確認しましょう。
また④についてです。多くの場合、運営さんは審査員に対し、大会会場までの交通費を用意してくれます。自宅から会場までの往復交通費を事前に計算しておくと、大会後、スムーズに交通費の受け取りを済ますことができます。
1-2.大会ルールの確認
次に大会のルールを確認します。主に以下の点について優先的に確認します。
① 何分スピーチか? QAの時間は何分か?
② ラストQ延長はありか・なしか?
③ 偶数スピーカーと奇数スピーカー、どちらのQAを担当するか?
④ メインジャッジか?
⑤ その大会だけに適応される特別なルールなどはないか?
①何分スピーチか? QAの時間は何分か?
スピーチの時間、QAセッションの時間を確認します。一般的なPrepared Speechの場合は7分、Freshman Speech Contestなど、スピーチ初心者を対象とした大会では3分~4分の場合があります。またQAの時間は、一般的に3分の場合が多いです。まれに例外もありますので、必ず確認するようにします。
②ラストQ延長はありか・なしか?
ラストQ延長の有無を確認します。「ラストQ延長」とは、Q&A Session の時間内で最後のQuestionについて、制限時間をオーバーした場合でもQAのやりとりを続けるかどうかの判断です。通常、運営さんから、事前にあるいは当日に必ず説明されます。
③偶数スピーカーと奇数スピーカー、どちらのQAを担当するか?
自分がQAを担当するスピーカーを確認します。これは事前原稿でQAを考えるときに役立てます。Questionは、自分が担当のスピーカーから考えておく方が効率的です。余裕があれば、自分がQAを担当する以外のスピーカーについても考えましょう。
④メインジャッジか?
審査員はそれまでの大会実績や審査経歴、あるいはその他の社会経験などを元に、運営さんからメインジャッジかサブジャッジかが割り当てられます。メインジャッジに指定されている場合、審議で込み入った時などで、最終的に入賞者を決定する権限が与えられます。
⑤その大会だけに適応される特別なルールなどはないか?
大会によっては、特別なルールが用意されている場合があります。
e.g.)「タイムオーバーでn点減点、あるいは失格」「プロンプター使用で減点」など
このような場合は、そのルールに従って審査します。
その他分からないことは遠慮なく運営側の代表者や、ネゴシエーターに聞きましょう。遠慮は必要ありません。大会で万全な審査をするためには不可欠です。
1-3.事前原稿を計画的に読む
送られてきた事前原稿は、計画的に読みましょう。事前原稿チェックでは、各スピーチの内容理解と添削について、まず8割程度終わらせることを目安とし、大会前1~2日で10割を目指します。大事なのは最初から完璧を目指さないことです。
当日から逆算して一日当たり何本のスピーチを通読・添削しておくか?
e.g.) 10人出場する大会で、7日前に原稿が届く場合
⇒ 1日2本ずつ読めば、5日で一通り終わり、余裕をもって残り2日で見直しができる。
1-4.事前原稿で見ておくべきポイント
事前原稿を読むに当たっては、以下の2点を意識しましょう。
①そのスピーチの良いところ、改善すべきところを最低3つずつ挙げておく
これはレセプションでのフィードバックで活かします。後ほど「3.」で説明します。
②チェックの視点:
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主張・構成・ロジック
- 主張・ロジック : 分かりやすいか、論理的矛盾や破たんがないか
- 構成: 三段構成・Thesis Statementの有無、段落のAREA構成
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レトリック
- 聴く人を引き付ける書き方や言い回しができているか
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文法的な正しさ
- 間違っていたり、分かりづらい文になっていないか
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QAで聞きたい部分
- 具体的に聞きたい部分を3つ~5つくらい挙げておく